併用禁忌                                 最終更新日2012年3月8日

当院ではシステム上、ロックがかかっており、併用禁忌薬は処方できない。ただし、原則禁忌は処方可能で、処方箋の下に「処方チェックエラー」表示される。
代表的な併用禁忌は、その理由とともにぜひ覚えておきたい。絶対に見逃してはダメです。
まず併用禁忌になりやすい薬剤を押さえてください(左列)。

臨床の現場では、「併用禁忌の薬剤が処方されています」と伝えるだけではなく、医師からは何の評価もされません。
それからの薬物療法をどのように考察し、医師に処方提案していくかがが薬剤師の本当の“仕事”です。






併用禁忌
理由
バイアグラ 硝酸薬及びNO供与薬:
ニトロペン、ニトロダーム、ミリステープ、ミオコールスプレー(ニトログリセリン)
ニトロール、フランドル(硝酸イソソルビド)
アイトロール(一硝酸イソソルビド)
シグマート(ニコランジル)
ハイパジールコーワ(ニプラジロール)
ニトプロ(ニトロプルシド)
【臨床症状・措置方法】
併用により、降圧作用を増強することがある。
【機序・危険因子】
NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
バイアグラ アンカロン錠(塩酸アミオダロン) 【臨床症状・措置方法】
塩酸アミオダロンによるQTc延長作用が増強するおそれがある。
【機序・危険因子】
類薬と塩酸アミオダロンの併用により、QTc延長があらわれるおそれがあるとの報告がある5)。
セララ
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。CYP3A4阻害薬及びCYP3A4誘導薬との相互作用は、すべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用する場合には、患者の状態を十分観察し、慎重に投与すること。[ 「薬物動態」の項参照]

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
カリウム製剤
 塩化カリウム(塩化カリウム)
 グルコン酸カリウム(グルコンサンK)
 アスパラギン酸カリウム(アスパラK)等
カリウム保持性利尿薬
 スピロノラクトン(アルダクトンA)
 トリアムテレン(トリテレン)等
臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。
2.
薬剤名等
イトラコナゾール(イトリゾール)
リトナビル(ノービア)
ネルフィナビル(ビラセプト)
臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
強力なCYP3A4阻害薬は本剤の代謝を阻害する。[「薬物動態」の項参照]
ルボックス

相互作用の概略

本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP2D6が関与していると考えられている。また、本剤は肝薬物代謝酵素のうちCYP1A2、CYP3A4、CYP2D6、CYP2C19を阻害し、特にCYP1A2の阻害作用は強いと考えられている。

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤〔選択的B型モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩)を含む〕
セレギリン塩酸塩
エフピー
臨床症状・措置方法
両薬剤の作用が増強されることがあるので、モノアミン酸化酵素阻害剤の中止後、本剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること。また、本剤投与後モノアミン酸化酵素阻害剤に切り替える場合は、少なくとも1週間以上の間隔をあけること。なお、本剤の類薬とモノアミン酸化酵素阻害剤との併用によりセロトニン症候群があらわれたとの報告がある。
機序・危険因子
発現機序は不明。
薬剤名等
チオリダジン
(メレリル)
ピモジド
(オーラップ)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇又は半減期が延長することにより、QT延長、心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)等の心血管系の副作用が発現するおそれがある。
機序・危険因子
本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。
薬剤名等
チザニジン塩酸塩
テルネリン
臨床症状・措置方法
チザニジンの血中濃度が上昇又は半減期が延長することにより、著しい血圧低下等の副作用が発現するおそれがある。
機序・危険因子
本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。
薬剤名等
ラメルテオン
(ロゼレム)
臨床症状・措置方法
ラメルテオンの最高血中濃度、AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により同剤の作用が強くあらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。

併用禁忌に関する注意

※:外国報告
デパケン カルバペネム系抗生物質

メロペン点滴用0.5g(メロペネム)
ニバックス点滴用0.25g(ドリペネム)
オメガシン点滴用0.3g(ビアペネム)

カルベニン点滴用0.5g(パニペネム・ベタミプロン)
チエナム筋注用0.5g(イミペネム・シラスタチン)
イミペネム・シラスタチン点滴用0.5g(イミペネム・シラスタチン)
#オラペネム小児用細粒10%(テビペネムピボキシル)
臨床症状・措置方法
てんかんの発作が再発することがある。
機序・危険因子
バルプロ酸の血中濃度が低下する。
低下の程度・・・(メロペンとデパケンの例)
補)疑義照会の結果、カルバペネムは”治療”に必要のため投与し、デパケンは“予防”投与のため中止することがある。
テルネリン

相互作用の概略

本剤は主として肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)1A2で代謝されるので、本酵素の活性に影響を与える薬剤を併用する場合には注意すること。特にCYP1A2を阻害する薬剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
(1)フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)
(2)シプロフロキサシン(シプロキサン等)
臨床症状・措置方法
フルボキサミン又はシプロフロキサシンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇し、AUCがそれぞれ33倍、10倍に上昇したとの報告がある。
臨床症状として、著しい血圧低下、傾眠、めまい及び精神運動能力の低下等があらわれることがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ネオーラル
多くの薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は併用薬を休薬する場合には注意すること。本剤は代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝され、また、CYP3A4及びP糖蛋白の阻害作用を有するため、これらの酵素、輸送蛋白質に影響する医薬品・食品と併用する場合には、可能な限り薬物血中濃度を測定するなど用量に留意して慎重に投与すること。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
臨床症状・措置方法
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
機序・危険因子
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
2.
薬剤名等
タクロリムス(外用剤を除く)(プログラフ)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがある。また、腎障害等の副作用があらわれやすくなるので併用しないこと。
機序・危険因子
本剤の代謝が阻害されること及び副作用が相互に増強されると考えられる。
3.
薬剤名等
ピタバスタチン(リバロ
ロスバスタチン(クレストール
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、横紋筋融解症等の重篤な副作用が発現するおそれがある。
機序・危険因子
本剤により、これらの薬剤の血漿中の濃度が上昇(ピタバスタチン:Cmax6.6倍、AUC4.6倍、ロスバスタチン:Cmax10.6倍、AUC7.1倍)する。
4.
薬剤名等
ボセンタン(トラクリア)
臨床症状・措置方法
ボセンタンの血中濃度が急激に上昇したとの報告があり、副作用が発現するおそれがある。また、本剤の血中濃度が約50%低下したとの報告がある。
機序・危険因子
本剤が、ボセンタンのCYP3A4による代謝を阻害すること及び輸送蛋白質を阻害し肝細胞への取り込みを阻害することにより、ボセンタンの血中濃度が上昇すると考えられる。また、ボセンタンはCYP3A4を誘導するため、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下すると考えられる。
5.
薬剤名等
アリスキレン(ラジレス
臨床症状・措置方法
アリスキレンの血中濃度が上昇するおそれがある。空腹時の併用投与によりアリスキレンのCmaxが約2.5倍、AUCが約5倍に上昇した。
機序・危険因子
本剤のP糖蛋白阻害によりアリスキレンのP糖蛋白を介した排出が抑制されると考えられる。
プログラフ
カプセル
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。(「薬物動態」の項参照)

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
生ワクチン
乾燥弱毒生麻しんワクチン、 乾燥弱毒生風しんワクチン、 経口生ポリオワクチン等
臨床症状・措置方法
類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。
機序・危険因子
免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。
薬剤名等
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度が上昇し、副作用が増強されたとの報告1)がある。なお、シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい。
機序・危険因子
本剤とシクロスポリンは薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、併用した場合、競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される。
薬剤名等
ボセンタン(トラクリア)
臨床症状・措置方法
ボセンタンの血中濃度が上昇し、ボセンタンの副作用が発現する可能性がある。また、本剤の血中濃度が変動する可能性がある。
機序・危険因子
本剤とボセンタンは薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため、併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため、併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある。
薬剤名等
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン(アルダクトンA、アルマトール)
カンレノ酸カリウム(ソルダクトン)
トリアムテレン(トリテレン)
臨床症状・措置方法
高カリウム血症が発現することがある。
機序・危険因子
本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。
イトリゾールカプセル
本剤は、主に肝チトクロームP450 3A4(CYP3A4)によって代謝される。また、本剤は、CYP3A4及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、患者の状態を十分観察し、慎重に投与すること。また、本剤投与終了後の血漿中薬物濃度は、本剤の投与量及び投与期間に応じて徐々に低下するため、本剤によって代謝が影響される薬剤の投与開始に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。なお、パルス療法中の患者において休薬期間中に新たに他の薬剤を併用する場合にも、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
ピモジド(オーラップ)
キニジン1),2)(硫酸キニジン)
ベプリジル3)(ベプリコール)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
2.
薬剤名等
トリアゾラム4)(ハルシオン)
臨床症状・措置方法
トリアゾラムの血中濃度上昇、作用の増強、作用時間の延長があらわれることがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
3.
薬剤名等
シンバスタチン5)(リポバス)
臨床症状・措置方法
シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症があらわれやすくなる。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
4.
薬剤名等
アゼルニジピン(カルブロック、レザルタス配合錠)
ニソルジピン6)(バイミカード)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
5.
薬剤名等
エルゴタミン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の副作用が発現するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
6.
薬剤名等
バルデナフィル(レビトラ)
臨床症状・措置方法
バルデナフィルのAUCが増加しCmaxが上昇するとの報告がある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
7.
薬剤名等
エプレレノン7)(セララ)
臨床症状・措置方法
エプレレノンの血中濃度を上昇させるおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
8.
薬剤名等
ブロナンセリン(ロナセン)
臨床症状・措置方法
ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
9.
薬剤名等
シルデナフィル8)(レバチオ)
臨床症状・措置方法
シルデナフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(シルデナフィルとリトナビルの併用により、シルデナフィルのCmax及びAUCがそれぞれ3.9倍及び10.5倍に増加したとの報告がある)。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
10.
薬剤名等
タダラフィル(アドシルカ)
臨床症状・措置方法
タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用により、タダラフィルのAUC及びCmaxがそれぞれ312%及び22%増加したとの報告がある)。
機序・危険因子
本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
11.
薬剤名等
アリスキレン9)(ラジレス)
臨床症状・措置方法
イトラコナゾールカプセルの併用投与(空腹時)により、アリスキレンのCmax及びAUCがそれぞれ約5.8倍及び約6.5倍に上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
アリスキレンのP糖蛋白(Pgp)を介した排出が本剤により抑制されると考えられる。
12.
薬剤名等
ダビガトラン(プラザキサ)
臨床症状・措置方法
ダビガトランの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大することがある。
機序・危険因子
ダビガトランのP糖蛋白(Pgp)を介した輸送が本剤により阻害され、抗凝固作用が増強すると考えられる。
ワーファリン 

相互作用の概略

他の薬剤との相互作用は、可能な全ての組合せについて検討されているわけではない。抗凝血薬療法施行中に、新たに他剤を併用したり、休薬する場合には、凝血能の変動に注意すること。なお、本剤(光学異性体のS体)は、主として肝薬物代謝酵素CYP2C9によって代謝される。〔「薬物動態」の項参照〕

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤
 メナテトレノン(グラケー
臨床症状・措置方法
本剤の効果を減弱する。
患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤の投与を中止すること。
機序・危険因子
ビタミンKが本剤のビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗する。
リファジン
*本剤はチトクロームP450 3A4(CYP3A4)をはじめとする肝薬物代謝酵素、P糖蛋白を誘導する作用がある。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等 
HIV感染症治療薬
  インジナビル硫酸塩エタノール付加物(クリキシバン)
  サキナビルメシル酸塩(インビラーゼ)
  ネルフィナビルメシル酸塩(ビラセプト)
  ホスアンプレナビルカルシウム水和物(レクシヴァ)
  アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、これらの薬剤又は活性代謝物の代謝を促進し、血中濃度を1/5以下に低下させると考えられている。
2.
薬剤名等 
HIV感染症治療薬
  デラビルジンメシル酸塩(レスクリプター)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、デラビルジンの代謝を促進し、AUCを約100%低下させると考えられている。
3.
薬剤名等 
ボリコナゾール
  ブイフェンド
臨床症状・措置方法
ボリコナゾールの作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、ボリコナゾールのCmax及びAUCをそれぞれ93%及び96%低下させると考えられている。
4.
薬剤名等 
プラジカンテル
  ビルトリシド
臨床症状・措置方法
プラジカンテルの作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、プラジカンテルの代謝を促進し、血中濃度を約100%低下させると考えられている。
5.
薬剤名等 
タダラフィル
  アドシルカ
臨床症状・措置方法
タダラフィルの作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、本剤(600mg/日)の併用で、タダラフィル(10mg)のCmax及びAUCをそれぞれ46%及び88%低下させると考えられている。
6.
薬剤名等 
**テラプレビル
    テラビック
臨床症状・措置方法
テラプレビルの作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用により、テラプレビルの代謝を促進し、AUCを92%低下させると考えられている。
イミグラン
本剤は、主としてモノアミンオキシダーゼ(MAO)で代謝される(「薬物動態」の項参照)。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン))
エルゴタミン誘導体含有製剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン))
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
機序・危険因子
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
2.
薬剤名等
**5-HT1B/1D受容体作動薬(ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)、ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
併用により相互に作用を増強させる。
3.
薬剤名等
MAO阻害剤
臨床症状・措置方法
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
機序・危険因子
MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
ゾーミッグ

相互作用の概略

本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2により活性代謝物に代謝され、A型モノアミン酸化酵素(MAO)により不活性代謝物に代謝される。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
**エルゴタミン
 酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
 メシル酸ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)、マレイン酸エルゴメトリン(エルゴメトリンF)、マレイン酸メチルエルゴメトリン(メテルギン)
臨床症状・措置方法
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
2.
薬剤名等
5-HT1B/1D受容体作動薬
** コハク酸スマトリプタン(イミグラン)、臭化水素酸エレトリプタン(レルパックス)、安息香酸リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
臨床症状・措置方法
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
併用により相互に作用を増強させる。
3.
薬剤名等
MAO阻害剤
臨床症状・措置方法
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
機序・危険因子
A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
レルパックス
本剤は、主として肝代謝酵素チトクロームP450 3A4により代謝される。[「薬物動態」の項参照]

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
**エルゴタミン
 エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)
 エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)
 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
機序・危険因子
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
2.
薬剤名等
**5-HT1B/1D受容体作動薬
 スマトリプタンコハク酸塩(イミグラン)
 ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
 リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)
 ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
併用により相互に作用を増強させる。
3.
薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
 リトナビル、インジナビル硫酸塩エタノール付加物、ネルフィナビルメシル酸塩
臨床症状・措置方法
本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇するおそれがある。
機序・危険因子
本剤は、主として肝代謝酵素チトクロームP450 3A4により代謝され、代謝酵素阻害薬によりクリアランスが減少する。
マクサルトRPD

RPD 錠は口腔内で崩壊する

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
エルゴタミン製剤
 エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン
 (カフェルゴット)
エルゴタミン誘導体含有製剤
 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
 (ジヒデルゴット)
 エルゴメトリンマレイン酸塩
 (エルゴメトリンF)
 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
 (メテルギン)
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
機序・危険因子
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
薬剤名等
5-HT1B/1D受容体作動薬
 スマトリプタンコハク酸塩
 (イミグラン)
 ゾルミトリプタン
 (ゾーミッグ)
 エレトリプタン臭化水素酸塩
 (レルパックス)
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
併用により相互に作用を増強させる。
薬剤名等
MAO阻害剤
臨床症状・措置方法
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
機序・危険因子
A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
薬剤名等
プロプラノロール塩酸塩(インデラル)
臨床症状・措置方法
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度‐時間曲線下面積(AUC)が増加するので、プロプラノロールを投与中あるいは投与中止から次の期間が経過していない患者には本剤を投与しないこと。
錠剤:24時間、徐放製剤:48時間
機序・危険因子
両薬剤の代謝にはA型MAOが関与するため本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性がある。
アマージ
本剤は複数の肝チトクロームP450(CYP)分子種で代謝される(「薬物動態」の項参照)。

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン))
エルゴタミン誘導体含有製剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン))
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
機序・危険因子
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
2.
薬剤名等
5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩(イミグラン)、 ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト))
臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
機序・危険因子
併用により相互に作用を増強させる
テラビック

本薬剤は、当院システムによる併用禁忌薬チェックがなされない?

相互作用の概略

本剤は代謝酵素チトクロームP450 3A4/5(CYP3A4/5)阻害作用を有することから,CYP3A4/5により代謝される薬剤と併用したとき,併用薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある.また,本剤はCYP3A4によって代謝されることから,CYP3A4を誘導する薬剤と併用したとき本剤の血中濃度が低下し,CYP3A4を阻害する薬剤と併用したとき本剤の血中濃度が上昇するおそれがある.

併用禁忌

(併用しないこと)
1.
薬剤名等
キニジン硫酸塩水和物(硫酸キニジン)
ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)
フレカイニド酢酸塩(タンボコール)
プロパフェノン塩酸塩(プロノン等)
アミオダロン塩酸塩(アンカロン)
ピモジド(オーラップ)
臨床症状・措置方法
これら薬剤による重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈,血液障害,血管攣縮等)が起こるおそれがある.
機序・危険因子
本剤のチトクロームP450に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇し,作用の増強や相加的なQT延長を起こすおそれがある.
2.
薬剤名等
エルゴタミン酒石酸塩(クリアミン)
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット等)
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンマレイン酸塩)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン等)
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し,末梢血管攣縮,虚血等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こるおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
3.
薬剤名等
トリアゾラム(ハルシオン等)
臨床症状・措置方法
トリアゾラムの代謝が抑制され,過度の鎮静や呼吸抑制等が起こるおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
4.
薬剤名等
ロバスタチン
シンバスタチン(リポバス等)
アトルバスタチンカルシウム水和物1)(リピトール,カデュエット)
臨床症状・措置方法
本剤750mg1日3回を6日間服用後,アトルバスタチンカルシウム水和物20mg1日1回を併用したとき,アトルバスタチンのAUCが7.9倍に上昇した.
これらの薬剤の血中濃度が上昇し,重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(横紋筋融解症を含むミオパシー等)が起こるおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
5.
薬剤名等
アルフゾシン
バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)
シルデナフィルクエン酸塩(肺高血圧症を適応とする場合)(レバチオ)
タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)(アドシルカ)
臨床症状・措置方法
これら薬剤の血中濃度が上昇し,低血圧や不整脈を起こすおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
6.
薬剤名等
ブロナンセリン(ロナセン)
臨床症状・措置方法
ブロナンセリンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
7.
薬剤名等
コルヒチン(肝臓又は腎臓に障害のある患者に使用する場合)(コルヒチン)
臨床症状・措置方法
コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある.
機序・危険因子
本剤のCYP3A4/5に対する阻害作用により,これらの薬剤の代謝が阻害される.
8.
薬剤名等
リファンピシン2)(アプテシン,リファジン,リマクタン等)
臨床症状・措置方法
リファンピシン600mg1日1回を7日間服用後,本剤750mg1日1回を併用したとき,本剤のAUCが92%低下した.
本剤の効果が減弱するおそれがある.
機序・危険因子
リファンピシンのCYP3A4に対する誘導作用により,本剤の代謝が促進される.