同じ適応症に複数の漢方薬が使われる理由
  〜不眠症に用いる漢方薬の使い分けを例にして



< 結 論 >


これらの漢方薬には不眠症という適応症があるが、それぞれの漢方薬の治療対象は異なる。




< 解 説 >
「不眠症」という適応症が与えられている漢方処方があります。

不眠が起こる原因を東洋医学的に模索すれば,気欝や気逆,不安感などが挙げられます。気欝が原因なら「理気剤」が選択されるべきだし,気逆が原因であれば「降気剤」が選択されます。不安感が原因と判断されれば甘味の生薬が選ばれ,結果として酸棗仁湯などが候補に挙がります。

要するに,結果として不眠が改善するということなのであって,要因が異なるのであれば別の対処をするという当たり前のことが理由となっているのです。逆に言えば,不眠の原因が東洋医学的にどのようなものであるのかが解らなければ,結果として何を選んでよいかは判らないということになります。


作成日2013年1月30日
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