漢方薬を理解するための用語
(2)「五臓」
漢方医学における「五臓」とは,肝・心・脾・肺・腎のことです。これらは西洋医学の臓器の呼称と同じですので混乱しやすいのですが,意味するところは異なっています。
五臓とは,器官としての役割に加え,目には見えない機能活動や精神活動をも含めた機能単位を指します。
■ 五臓から処方を選択
五臓の失調によっておこる特徴的な症状をターゲットに処方を選択する場合があります。よく用いられるのは以下のような処方です。
「肝」の失調:抑肝散,加味逍遙散,柴胡剤など。
「心」の失調:三黄瀉心湯,酸棗仁湯など。
「脾」の失調:十全大補湯,四君子湯,帰脾湯など。
「肺」の失調:小青竜湯,麦門冬湯,麻黄附子細辛湯など。
「腎」の失調:八味地黄丸,牛車腎気丸,六味丸など。
作成日 2013年1月30日
http://www.tsumura.co.jp/password/k_square/yakuzaishi/vol_18_04/10_essence.pdf 一部改変