証に従った漢方治療
「証」の診断が適切であったか否かは漢方製剤を投与してその応答によって判断する。
図の原点が生体にゆがみのない状態であり、病態によってゆがんだ状態を原点に戻すのが、方剤に基づいた漢方の治療といえる。
例えば、図1で当帰芍薬散と桃核承気湯はいずれも更年期障害の適応を持つが、証が異なり、その方格は全く逆である。
更年期障害の患者で当帰芍薬散の適応病態にある症例に誤って桃核承気湯を投与すると、生体は更に陰性で虚性の方向に向かって偏位してしまい、下痢、冷え、倦怠感などが引き起こされる。逆に桃核承気湯が用いられるべき症例に当帰芍薬散を投与すると、身体の熱感、のぼせ感、倦怠感などがあらわれ、疾病は治癒しない。
図1 駆お血剤の陰陽論的位置づけとその作用ベクトル
作成日2013年2月2日
医薬品副作用情報 No.143
2.[解説]医薬品の適正使用のために〜漢方製剤の適正使用について(一部抜粋)http://www.tsumura.co.jp/password/m_square/products/anzen/143.htm