「水毒」 |
水(すい)の異常は日本漢方では一般に「水毒」と呼ばれる。体液の「偏在」によっておこる種々の症状・兆候を指す。臨床症状としては,水様性の鼻汁や喀痰,唾液の分泌過多,尿量減少や尿量過多,水様性の下痢,浮腫,腹水や胸水,めまい,たちくらみ,車酔い,口渇,悪心,嘔吐などが「水の異常」による症状・兆候とされる。 水毒の特徴は「天候の悪化にともなって関節痛やうつ状態などの症状が悪化する」とか,「冷えると悪化する」「湿気が多いと悪化する」など「風・寒・湿」の外的因子に左右されやすい。 |
「気虚」 「気鬱」 「気逆」 |
気虚は気のエネルギー不足を示す。元気がない,疲れやすい,食欲がない,意欲がないなどの病態をいう。 気虚には四君子湯・六君子湯・補中益気湯などがよく用いられる。 |
「血虚」 「お血」 |
血の異常は血虚とお血に分けられる。 血虚の症状は集中力の低下・睡眠障害・過少月経・顔色不良・脱毛・爪が脆いなどである。血虚の代表的処方は四物湯(当帰・川?・芍薬・地黄)である。四物湯を基本に皮膚?痒症に対して温清飲や当帰飲子などの発展方がある。 お血は微小循環障害を表す病態であり,お血の症状は眼の周りのクマ・顔面の色素沈着・カサカサ肌・舌や唇の暗紫色化・月経障害・痔・物忘れ・食欲の異常亢進など多岐にわたる。 代表的な駆お血剤は実証なら大黄剤(大承気湯・桃核承気湯・大黄牡丹皮湯・通導散など)であり,虚実中間証には桂枝茯苓丸,虚証には当帰芍薬散などである。http://www.tsumura.co.jp/password/k_square/yakuzaishi/pdf/vol_13_02/003.pdf |
作成日 2012年11月30日