漢方薬を理解するための用語
(1)気血水に関する用語
http://hagino-naika.itigo.jp/index.php?%E6%B0%97%E8%A1%80%E6%B0%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
「水毒」

水(すい)の異常は日本漢方では一般に「水毒」と呼ばれる。体液の「偏在」によっておこる種々の症状・兆候を指す。臨床症状としては,水様性の鼻汁や喀痰,唾液の分泌過多,尿量減少や尿量過多,水様性の下痢,浮腫,腹水や胸水,めまい,たちくらみ,車酔い,口渇,悪心,嘔吐などが「水の異常」による症状・兆候とされる。

水毒の特徴は「天候の悪化にともなって関節痛やうつ状態などの症状が悪化する」とか,「冷えると悪化する」「湿気が多いと悪化する」など「風・寒・湿」の外的因子に左右されやすい。

水毒を治す方剤を「利水剤」と呼ぶ。
五苓散,猪苓湯,苓桂朮甘湯,半夏白朮天麻湯,桂枝加朮附湯,真武湯,八味地黄丸,牛車腎気丸などが症状・兆候にしたがって選択される。

http://www.tsumura.co.jp/password/k_square/yakuzaishi/pdf/vol_13_05/003.pdf

「気虚」
「気鬱」
「気逆」 

気虚は気のエネルギー不足を示す。元気がない,疲れやすい,食欲がない,意欲がないなどの病態をいう。

気滞(または気欝)は気の循行障害を想定している。胸が詰まる,咽喉がつまる,お
なかが張る,抑うつ感などの病態をいう。

気逆は気の循行障害が発作性に強く現れる状態をいう。発作性の動悸,冷えのぼせ,ゲップ,精神性発汗,不安や焦燥感,などをいう。

気虚には四君子湯・六君子湯・補中益気湯などがよく用いられる。
気滞には半夏厚朴湯や香蘇散が代表的な気剤である。
気逆には苓桂朮甘湯・苓桂甘棗湯などが用いられる。http://www.tsumura.co.jp/password/k_square/yakuzaishi/pdf/vol_13_01/003.pdf

「血虚」 「お血」

血の異常は血虚とお血に分けられる。

血虚の症状は集中力の低下・睡眠障害・過少月経・顔色不良・脱毛・爪が脆いなどである。血虚の代表的処方は四物湯(当帰・川?・芍薬・地黄)である。四物湯を基本に皮膚?痒症に対して温清飲や当帰飲子などの発展方がある。

お血は微小循環障害を表す病態であり,お血の症状は眼の周りのクマ・顔面の色素沈着・カサカサ肌・舌や唇の暗紫色化・月経障害・痔・物忘れ・食欲の異常亢進など多岐にわたる。

代表的な駆お血剤は実証なら大黄剤(大承気湯・桃核承気湯・大黄牡丹皮湯・通導散など)であり,虚実中間証には桂枝茯苓丸,虚証には当帰薬散などである。http://www.tsumura.co.jp/password/k_square/yakuzaishi/pdf/vol_13_02/003.pdf

作成日 2012年11月30日