危険率(P値) と 信頼区間(CI)
■P値
帰無仮説が正しいと考えられる確率を「危険率」と呼び、p値あるいはp-valueと示します。
P値とは、”まぐれ当たりの確率”・ ”結果が偶然である確率”のことです。
何の根拠もないのですが、5%をその基準として扱うことが多く、昔はp<0.05と表記しているデータもありますが、p=0.03のように危険率の絶対値そのものを表記する方向に変わってきています。危険率4%で有意差有り、危険率6%で有意差なし、と5%という基準にこだわり、データの解釈をすることは不合理であることは当然ですよね。
P値に関するピットフォール
(誤り1)p≧0.05なので有意差がない
(正しい解釈)有意差があること実証されなかっただけであり、その検定結果だけで真に違いがないことが結論づけられたわけではありません。違いが示唆されたと解釈します。「有意差がない」=「同じ」ではありません。
(誤り2)P値が小さいほど、効果の違いが大きい
(正しい解釈)P値が小さいほど「差があること」がより確実ということです。
効果の程度は2群間の値の差(または比)で示されます。また、同じ効果の程度でも、標本数が多ければp値は小さくなります。
■CI :confidence interval
危険率による検定の示し方を説明してきましたが、今度は信頼区間による示し方について学習します。
真の値が何%の確率でどこからどこまで分布するのかを示すのが、信頼区間です。
95%CIとは95%の確率で真の値が分布する範囲を示します。
危険率が5%より小さい、すなわち「統計学的に」有意であることを、信頼区間を使っで言い換えると・・
「差」の場合 例)相対危険 ”95%”CIが「0」を含んでいない
「比」の場合 例)絶対危険減少 ”95%”CIが「1」を含んでいない
信頼区間が狭いほど推定値の信頼性が高くなります。
■その他
・危険率と信頼区間は併記される場合が多いが、信頼区間を重視する方向にあります。
・推定は、検定のように差がある、ないという明確な判断をしないことが特徴です。
作成日 2011年11月5日