古くは専門家の”コンセンサス”により作られた手引書のようなものが医療の現場に氾濫していました。しかし、1990年代にEBMが普及するとともに、主に関連学会が中心となり臨床研究の結果を根拠に各疾患に関する「診療ガイドライン」が作成され、充実してきました。内容は診断、治療、予後予測などが網羅されているのですが、その中から、薬物療法に関する図や表を紹介していきます。なお、ガイドラインで示された治療法は全ての患者に適したものではなく、実際の診療行為を拘束するものではありません。
実践的な切り口で同種同効薬を分類・比較し、薬剤選択に役立つようにしています。
あるテーマに基づいて、該当する薬剤を一まとめにして覚えておくと現場では非常に役立ちます。そんな、知識をテーマ別にまとめてみました。
市販の本にも同じような内容がまとめられていることもあるのですが、添付文書から機械的に抽出して辞書のように網羅的にアイウエオ順にまとめられていたりして頭に入りにくく、また、まとめられた薬剤をどのような考察法で見ていけばいいのかほとんど説明がなく、使い勝手が非常に悪いと常日頃感じていたため、自分なりにまとめようと思ったわけです。実を言えば、私にとっても大切な「備忘録」となっています。
該当する薬剤は随時追加していきます。
漢方薬に関しては全く知識がなかったのですが、薬剤師として一般的なことは知っておこうと思い、この章を立ち上げました。漢方薬だけですべての病気を治そうとは考えないで、西洋薬で直しにくいくところを補完するのが漢方薬であるという考えで一から勉強を始めます。
疾患に対する標準治療を理解し、薬剤の使い方のコツを掴んだあとは、知識のアップデートのためにEBMの考え方が必要になってきます。エビデンスを読み解くにはどのような知識があればいいのか?ここに一つの答えを提示します。薬剤師暦5年以上の中堅薬剤師に向けて書いていきます。
これからは、診療だけにとどまらず、臨床研究に参画できる薬剤師が求められるはずです。薬剤に関する臨床的知識を身に付け薬剤管理指導業務に代表されるような診療領域の業務と、エビデンスを作り出す臨床研究業務をバランスよく遂行できると、とてもすばらしいことだと思います。
病院での業務経験から、必要に迫られて私が勉強した内容を公開していきます。
処方監査の”コツ”を学ぶために学習効果の高い実際の処方例を精選し、その後、解説を加えました。
このような一つ一つの知識の蓄積が、より大きな理解となって自分に帰ってきます。