メタ分析(メタアナリシス)の見方
最近は大学院卒の病院薬剤師が増えてきて、「フォレストプロット」と言われるメタ分析の図の結果をある程度解釈できるようです。まずメタ分析の見方の基本をザックリとまとめ、その後事例で挙げたメタ分析の内容を解釈してみます。
(事例)
---基本のまとめ---
メタ分析の結果がオッズ比で表されている。
point1
オッズ比が 1より大きい ⇒治療が有害
オッズ比が 1より小さい ⇒治療が有効
オッズ比が1の場合は効果なし
|
左へ行けば行くほど治療が有効である。右に行けば行くほど有害である。
point2
横線が オッズ比1の縦線と交わる ⇒統計学的に有意でない
横線が オッズ比1の縦線と交わらない ⇒統計学的に有意 |
point3
縦線と交わらない場合、有意水準0.05で有意ということになる。
point4
・横線上の四角の位置が各臨床試験のオッズ比を示し、
1番下に統合したメタ分析の結果がひし形で示されている。
・ひし形の上下の頂点を結んだ位置が統合されたオッズ比
・左右の頂点が信頼区間 |
〔補足〕
各試験の均質性にも目を向けてみる。ある試験は1より小さい(有効)、ある試験は1より大きい(有害)というようなメタ分析では、結果に一貫性がなく均質とはいえない。均質でないメタ分析は要注意である。どの程度、左右に分かれた試験があればメタ分析の結果を疑うのかは、今後の自分への課題としたい。
■事例で挙げたメタ分析の内容を解釈(統計学を深く理解していない私の解釈ですが)
事例で挙げたメタ分析は均質性ではやや問題がありそうだが、オッズ比が1より大きい試験はn数が小さく、結果としてひし形が1より小さくなっている。また1より大きい試験の横線が1と交わっているということは統計学的には有意ではない。
その結果、当然ではあるが、タ分析の結果を示すひし形は、オッズ比が1より小さくなっており、横線も1と交わっていなく有意水準0.05で有意という結論になっている。
均質性にやや問題ありそうかなと感じつつも、推奨か否かという結論としては、一応CDDPによる腹腔内化学療法を推奨、ということになる(のだと思う)。
作成日2011年11月5日