PPIとH2RAの使い分け

PPIとH2RAの使い分け基準をザックリまとめると以下の3つです。有効性の面からまとめています。
副作用の頻度は少ないのですが、日常よく使われるだけあって、遭遇する確率は高いです。1年間病棟にいれば1度くらいは出くわすでしょう。

@代謝、排泄
PPIは肝代謝(パリエットはCYPの関与が低い)、H2RA(プロテカジンは肝臓で代謝)は腎代謝です。

A立ち上がり、強さ
PPIは十分な効果を示すまでに数日かかりますが、H2RAは数時間です。
繰り返し使用したときの胃酸分泌抑制の強さは、言うまでもなくPPI>H2RAです。

B投与期間制限
H2RAは投与期間に制限はありませんが、連用していると効果が落ちてくることがあると言われています。しかしPPIは保険適応上、胃潰瘍対しては8週間まで、十二指腸潰瘍に対しては6週間まで、という制限があります。


H2受容体拮抗薬 プロトンポンプ阻害薬
作用発現時間 早い (2〜3時間) 遅い (6時間〜)
作用持続性 数時間 24時間以上
作用の時間帯と強さ 日中<夜間 日中>夜間
内視鏡判定治癒率 4週:PPI>H2RA
8週:PPI≒H2RA
代謝、排泄 腎排泄
(プロテカジンを除く)
肝代謝
(2C19に遺伝子多型あり)
投与期間制限 なし(主に維持療法の第一選択薬) あり(主に維持療法の第一選択薬)


作成日 2011年4月16日

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