ビタミンD製剤の使い分け
   +二次性副甲状腺機能亢進症



ビタミンD製剤の使い分け

商品名 成分名 剤型 規格
アルファロール アルファカルシドール 硬カプセル
0.25,0.5,1μg
0.5μg/ml
ワンアルファ 錠剤 0.25μg
ロカルトロール ロカルトロール 軟カプセル 0.25μg


アルファロール、ワンアルファは肝臓で代謝されて活性型に変わりに変わり、作用を発揮します。したがって肝臓の機能が低下している患者にはこれら2剤を選択するのではなく、ロカルトロールを選択します。

腎不全の患者は、腎臓でV.Dの活性化ができなくなります。そこでV.D製剤の投与が必要となります。
ロカルトロールはもともと活性型であるので腎機能の低下している患者に投与しても問題ありません。アルファロール、ワンアルファはもともと不活性型ですが、“肝臓で”代謝されて活性型になるので、腎機能の低下している患者に投与しても問題ありません。つまり何を選んでも大差がないということです。

肝機能低下・・・ロカルトロールを選択
腎機能低下・・・アルファロールでもワンアルファでもロカルトロールでも、何でもよい

ロカルトロールのほうが効力が強く、アルファロールやワンアルファの2分の1で同等の効果を示します。


二次性副甲状腺機能亢進症
ビタミンD製剤を使う代表的疾患が「腎不全」それに続き起こる「二次性副甲状腺機能亢進症」です。
腎不全では、
 ・食事で摂取したリンが尿中に排泄されないため高リン血症になり
 ・腎臓でビタミンDが活性化されないため、腸管からのカルシウム吸収低下が起こり低Ca   血症になります。

このような病態は副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を亢進させ、骨からCaを遊離させて血中のCaを補おうとし、骨そしょう症を引き起こします。
さらには骨から溶け出したCaやPにより皮膚のかゆみやイライラ感が出たり、
CaとPが骨以外の臓器に沈着し(異所性石灰化)、関節に痛みなどの症状がでます。特に血管に沈着しやすく、石灰化を起こすと動脈硬化の原因となります。
そこで「腎不全」それに続き起こる「二次性副甲状腺機能亢進症」に、ビタミンD製剤が処方されます。

詳しくは
「透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン」日本透析医学会2006
を参考にするといいでしょう。

作成日2010年9月19日

同種同効薬25

index
TOP PAGE