術前化学療法と術後化学療法について

   術前化学療法
neoadjuvant chemotherapy
NAC「ナック」と読む
 術後化学療法
adjuvant chemotherapy

 長所  ・手術、放射線療法などの局所療法前に、down stagingを目的として行う
・潜在転移への早期治療、手術侵襲がない状態で至適量での抗がん剤治療が可能

・手術、放射線療法などの局所療法後の再発防止目的で行う全身療法である(←患者には、よくこのようにムンテラしている)
・先行する手術で主病巣の除去が速やかに行える
・手術所見による情報で、治療を選択できる
・手術材料を用いた抗癌剤感受性試験が可能
 

 短所 ・増悪例では手術不能例がでる
・化学療法の合併症で手術が遅れる
・術中・術後の合併症が増える

・薬剤のデリバリーが不利になる
・術後の全身状態で化学療法が制限される

こうしてみると、術後化学療法をすべての患者に行った方がいいようにも思えます。しかし、本当に効果があるのかどうかは臨床試験を行ってみなければわからず、術後化学療法が有効とされているのは、乳がん、大腸がん、子宮体がん、非小細胞肺がん、卵巣がんなどです。
添付文書の「効能又は効果に関連する使用上の注意」には、「●●癌での本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。」と書かれていたりします。

作成日 2009年3月20日

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