心不全の重症度分類・肝障害の分類・腎障害の分類

心臓、肝臓、腎臓の重症度分類。知らないと添付文書させ理解することができません。ここで一度まとめておきます。

■心不全の重症度分類 NYHA心機能分類「ニ(-)ハ」と読む。
                   NYHA;New York Heart Association 米国心臓病学会



【参考1】心エコーにより心臓の動きは十分か、拍出量がどの程度かなどを定量的に把握することができる。胸部X線写真や心電図、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)などの血液生化学検査が参考になることもあるが、通常は心エコーが最も多くの情報をもたらす。診断には観血的に肺動脈楔入圧(「きつにゅうあつ」と読む)(PCWP)、中心静脈圧(CVP)の測定を行う。
【参考2】フォレスター分類について
治療においては、フォレスター分類(Forrester分類)が参考になる。これは、心臓の拍出量を表す心係数(2.2 L/min/m2を境界とする)と、静脈のうっ滞の程度を表す肺動脈とから、心不全の状態を4つに分類し、それぞれに適切な治療法を提案するものである。今の私には説明しきれる知識はないので、循環器系の病棟業務に従事するときに勉強してください。




■肝障害の分類  Child-Pugh 分類 「チャイルド ピュー」と読みます。
肝機能を単一の指標で評価することは困難であるため、Childらにより考案された多因子評価法です。臨床的に簡便に測定・評価することが可能な指標をもとに、肝障害の程度を3段階に分類します
点数が多くなるほど肝機能が悪いことを意味します。
肝代謝型の薬剤の添付文書の「慎重投与」や「用法及び用量に関連する使用上の注意」などあちこちに出てきます。
薬物代謝酵素活性の変化を推測するときなどにも利用できます。また、医者が肝硬変患者の予後を予測するための指標 ともなります。


【補足】血液凝固に関わるタンパク質の多くは肝臓でつくられるので、フィブリノゲンや活性化部分トロンボプラスチン時間(内因系)は、肝臓の機能をみるときにも使われる。プロトロンビン活性値もその一つ。



■腎障害の分類 CKD(慢性腎臓病)の病期分類 日本腎臓学会2007



作成日 2010年7月2日

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