ワンポイント37
CYP3A4阻害薬の阻害の「程度」【FDA基準】
〜相互作用の「有無」だけではなく、「程度」についても考え、考察に厚みを持たせる
相互作用があると言われていても、それがどの程度安全性に影響を与えそうなのか知っていると考察に厚みをもたせることができます。
ある程度のコンセンサスの得られているFDA基準を紹介します。
以下のように阻害の程度を3段階(Strong, Moderate, Weak)に分けています。
Strong ・・・AUCで5倍以上あるいはクリアランスの80%以上の低下 Moderate・・・AUCが2倍以上5倍未満あるいはクリアランスで50-80%の低下 Weak ・・・AUCが1.25倍以上2倍未満あるいはクリアランスで20-50%の低下 |
http://www.fda.gov/Drugs/DevelopmentApprovalProcess/DevelopmentResources/
DrugInteractionsLabeling/ucm093664.htm
シメチジンは10年位前に免疫を強化するような話で注目が集まり、癌への応用が騒がれていたのですが、今はほとんど聞かれなくなりました。相互作用のためか、現在ほとんど処方されなくなっています。
強力な | クラリス、イトリゾール、ケテック(テリスロマイシン) |
中等度 | エリスロシン、ジフルカン(フルコナゾール)、イメンド、ヘルベッサー、ワソラン、グレープフルーツジュース |
なお、セント・ジョーンズ・ワートはGJと同程度の阻害をすると思われます。
作成日2010年7月3日