ワンポイント38

心臓血管外科でのMg投与の意義について考える

心臓血管外科以外の診療科からコンクライトMg注が処方されることはあまりありません。この診療科ではルーチン的に患者に処方されているように感じます。使用目的について私は以下のように考えています。
注)本をみてもどこにも書かれていませんので、あくまで私的な考察です。

Mg(注射)の臨床適用を挙げると

適応内・・・電解質補正。(マグネゾール注では子癇)
    
適応外・・・切迫早産、一部の不整脈(特にTdP)、気管支喘息(重積状態)


つまり、作用から分類すれば

 (1)筋弛緩作用に基づくもの(子癇、切迫早産、気管支喘息重積)
 (2)刺激伝道系に与える電気生理学的作用(不整脈)

(2)に関して詳しくは分かりませんが、Mg投与して不整脈が治るということは、逆の言い方をすれば
Mg量が低下しているとき不整脈を発症しやすいと言えます。そう考えると

不整脈の予防目的でMgを投与する。 Mgは体内に蓄えが乏しく経口摂取に依存しているため、特にGICUなどに入院している低栄養状態の患者は低Mg状態にあり、不整脈を発症しやすいというリスクファクターを有しており。また、もともと不整脈を患っている患者はちょっとした低Mg血症でも不整脈を発症しやすく、よって余裕を持って予めMgを投与している、と考えてはどうでしょうか?


作成日2010年7月10日

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