<定型抗精神病薬>
まず、非定型抗精神病薬開発以前から使用されている定型抗精神病薬(第一世代抗精神病薬[FGA(first generation antipsychotics)]、従来型抗精神病薬)について整理しておきましょう。次のように大きく3つに分けます。このほかデポ剤を4つ目の群に加えることもありますが、今回説明は省かせてもらいます。

SGAではなくFGAが適応とされるのは、米国The Expert Consensus Guidelineにおいて、次の3つの場合に限定されています。
@すでにFGAの使用にて状態が安定しており、大きな副作用が認められていない。
A興奮などによって筋注を必要とする
Bアドヒランスが不良で持効性注射剤(デポ剤)を必要とする

これからわかるように、うつ病に対しSSRISNRIが登場する中、以前、三環系抗うつ薬が一定の地位を守り続けているのと対照的に、統合失調症の治療では基本的にFGAからSGAへシフトしているのが潮流となっています。上記3点以外にFGAFGAに優る点は、
C
発売されてからの歴史が長く、データの蓄積が豊富
D薬価が低い
が挙げられます。

ワンポイント5

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