ドパミン神経系に作用する薬 の まとめ
投与された薬物は「吸収」され血流に乗り、各組織・部位に「分布」し、作用点のある組織・部位で薬理作用を発揮します。
なかでも、全身にはりめぐらされている神経に作用する薬物は、
・主作用(期待する作用)が多彩 = いろいろな診療科からさまざまな目的で投与される
・ 副作用も多彩
です。また、
・ 薬力学的相互作用
・ 疾患禁忌
をチェックすることも必要です。
神経系には
中枢神経系、自律神経系と称される交感神経系及び副交感神経系、ドパミン神経系、セロトニン神経系などがありますが、今回はドパミン神経系に作用する薬についてまとめてみたいと思います。
脳 |
胃腸 |
嘔吐中枢 |
心臓 |
パーキンソン病治療薬 |
抗うつ薬 |
抗精神病薬 |
高プロラクチン血症
〜排卵障害
下垂体腺腫など |
胃腸機能調整薬 |
制吐薬 |
強心薬 |
ネオドパストン
ビ・シフロール
など |
ドグマチール |
セレネース
リスパダール
ジプレキサ
エビリファイ
ドグマチール
など |
カバサール
パーロデル
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プリンペランなど |
ノバミン
プリンペラン
など |
イノバン
など |
DA作動薬 |
DA遮断薬(※1) |
DA遮断薬 |
DA作動薬 |
DA遮断薬(※2) |
DA遮断薬 |
DA作動薬 |
黒質−線状体系 |
不明 |
中脳−辺縁系 |
視床下部 |
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※1)DA“遮断薬”であるドグマチールが、なぜ抗うつ作用を示すのかは、よくわかっていない。通常、うつにはDA“作動薬”が有効であることが知られており、例えば難治性のうつに、パールデルが適応外で使われたりしているらしい(←今日の治療薬にも載っている)。
※2)DA神経により副交感神経におけるアセチルコリンの遊離が“抑制”され、消化管運動が低下する。DA遮断薬を投与すると、アセチルコリンの遊離が促進され、消化管運動が亢進する。
DA作動薬の臨床用途、DA遮断薬の臨床用途をまとめると以下のようになります。
DA作動薬 |
・パーキンソン病治療薬
・高プロラクチン血症
〜排卵障害
下垂体腺腫など
・強心薬 |
DA遮断薬 |
・抗精神病薬
・胃腸機能調整薬
・制吐薬 |
作成日2011年10月13日