ワンポイント69

小児薬用量の“とらえ方

小児薬用量が添付文書に明記されていることは少ない。

現在、最も用いられているのは体表面積を基準としたAugsberger式であり、これにより得られた数値を近似整数値にしたものがHarnackの表です。

しかし、この表を使って、成人量から小児薬用量を推定し、実際の処方箋に記されている用量と照らし合わせると、全く一致しないことが少なくありません。

これは、主に分布容積やクリアランスの発達による変化を背景として生じています。小児の薬物療法を極めるには、薬物動態的考察力が必要であると感じます。



<Harnack表が適応できない原因と代表的薬剤>
体重あたりの水分量が多い
(=分布容積が大きい)
→成人より多めに投与する
セフェム系抗生物質
(例)フロモックス、メイアクト、ケフラール
体重あたりの代謝能が、成人に比べて高い
→成人より多めに投与する
テオドールドライシロップ

有効血中濃度に幅があり、安全域が広い
→幅広い年齢層にわたってほとんど同じ投与量でよい
シングレアドライシロップ
アルファロール液
絶対的な必要量が多い??
→成人より多めに投与する
チラージンS細粒

作成日 2012年11月25日
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