ダイアップ坐剤:3回目投与時の注意を徹底すべし
〜添付文書には載っていない情報を知っておこう!

■投与回数・投与間隔について

 小児の熱性痙攣に頓用で使用されるダイアップ坐剤(一般名:ジアゼパム)ですが、投薬時に、複数回使用する場合の投与間隔について、保護者に十分に説明しておくことが大切です。

 同剤の成分であるジアゼパムは、半減期が30時間程度と非常に長い薬剤です。このため、血中濃度が高まりすぎないように、1個目を投与したあと2個目を投与するまでには8時間、空ける必要があります。そして、さらに3個目を挿入する場合には、2個目の投与からさらに16時間を空ける必要があります。1個目から2個目と、2個目から3個目とで、空けるべき時間の長さが異なる点がポイントです。

通常は2回で終了ですが、現実として3回目投与の指示をする医師はいます。熱性けいれんの指導ガイドラインの中でも、「状況判断により3回投与を行っても良いが、3回目は初回投与から24時間経過後とする」と記載があります。

 添付文書に「1日1〜2回」と書かれているため、「1日に2個まで」という説明をする医師が多いのですが、深夜に(日付が変わったからといって)3個目のダイアップ坐剤を使用し、ジアゼパム過量症状を呈した子供がいたそうです。ほかにも、4〜5時間おきに挿入するように言われて入院に至ったケースもあるそうです。

ダイアップ坐剤の添付文書の重要な基本的注意
熱性けいれんに用いる場合には、発熱時の間歇投与とし、
37.5℃の発熱を目安に、すみやかに直腸内に挿入する。

ダイアップ坐剤の添付文書には投与間隔に関する記載がなく、より詳細に記載されていたダイアップ坐剤の患者指導箋「ジアゼパム坐剤(ダイアップ坐剤)の使用方法」や、ダイアップ坐剤のインタビューフォームには、「熱が37.5℃以上の時に使用。熱が続く場合、初回投与から8時間後に2回目を使用」と記載されています。

このように、間歇投与とは書かれていても、どの程度時間をあける必要があるかについて、添付文書に記載されていません.
事前にダイアップの適正な使い方を知識として持っておく必要がありますね。

2つの坐剤の併用の仕方
 また、ダイアップ坐剤は、アセトアミノフェンの坐剤と併用されることもしばしばありますが、使用時にはジアゼパム坐剤を先に入れ、30分ほどしてからアセトアミノフェン坐剤を投与しないと、ジアゼパムがアセトアミノフェン坐剤の基剤に吸収されてしまい、効果発現が遅くなります。

「吸収されてしまった」と言い切るのは適切でないようです。あくまでもそうだと推察されているということです。ジアゼパム坐剤単独の場合に比べて、アセトアミノフェン坐剤併用の場合でジアゼパム血中濃度が非常に低くなることを、熱性けいれんの小児で実験した文献があります。その中で考察されています。(日本小児科学会雑誌,100(8):1347~1355,1996)熱性けいれんの指導ガイドラインでも、「ジアゼパム坐剤に解熱薬を併用するときは,解熱薬を経口剤にするか,坐剤を用いる場合には、ジアゼパム坐剤投与後少なくても30分以上間隔をあけることが望ましい,」と記載されています。

クスリの鉄則 一部改変http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201001/513815.html
はまだクリニックのブログ 一部引用

http://blogs.yahoo.co.jp/hamadatrial/27151675.html

作成日2012年12月1日

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