作成日2012年12月8日

ワンポイント74

投与期間に制限が設けられている医薬品(内服・外用薬)

@ 1回の処方で投与できる日数に制限がある薬剤があることは常識です。麻薬と向精神薬がこの制限の対象となります。倍量処方を見抜くために必要な知識ですので、覚えておくことが必要です!枠内”■補足”に示した”特殊な事情”とは何をさすのかを知っておくことは、制限を越えて処方したいと言う医師に対して対応するときに必要になります。

A 麻薬、向精神薬に限らず、すべての新薬の処方が薬価収載(保険適用)後1年間は1回14日分までに制限されることは有名です。点鼻薬とか吸入剤なんかで2本とか3本とか出されて疑義照会するケースもあります。
期間について厳密に言うと、『使用薬剤の薬価(薬価基準)への収載の日の属する月の翌日の初日から起算して一年です。また、厚生労働大巨が指定するものにあっては,厚生労働大臣が指定する期間です。

Bまた、タミフルのように薬剤毎に添付文書に投与日数の上限が明記されている薬剤もあります。

Cパナルジンのように、添付文書 ”警告”欄に 「投与開始後2ヵ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週に1回、来院すること。 」と書かれている場合があります。この場合、パナルジンの初回処方で90日分処方されていた場合、疑義照会の対象になりうると思われます。

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今回は、当院採用薬の中から、@1回の処方で投与できる日数に制限がある薬剤をまとめてみました。

■ 補 足
投与期間が
114日分を限度とされている内服薬及び外用薬でも特殊な事情に該当し、必要最小限の範囲で30日分までの投薬が認められています。

14日投薬限度のある医薬品であっても「特殊事情のある」場合、130日分限度で投与可です(30日を越えての処方は不可)。

特殊事情:海外渡航、年末・年始、ゴールデンウィークのみ ※国内旅行、帰郷、お盆休みは不可

■ 14日分投与を限度とする麻薬
アヘンチンキ アヘン
■ 30日分投与を限度とする麻薬
オキシコンチン錠、オキノーム散 塩酸オキシコドン水和物
MSコンチン錠 硫酸モルヒネ
オプソ内服液、10%塩酸モルヒネ散(院内製剤) 塩酸モルヒネ
アンペック坐剤 塩酸モルヒネ
ヂュロテップMTパッチ、フェントステープ フェンタニル
■ 14日分投与を限度とする麻薬
イソミタール末 アモバルビタール
ペルタゾン錠 ペンタゾシン
レペタン坐剤 ブプレノルフィン
ダイアップ坐剤 ジアゼパム
セニラン坐剤 ブロマゼパム
ワコビタール坐剤 フェノバルビタール
■ 30日分投与を限度とする麻薬
リタリン錠、コンサータ錠 メチルフェニデート
モディオダール錠 モダフィニル
コンスタン錠 アルプラゾラム
ワイパックス錠 ロラゼパム
リーゼ錠 クロチアゼパム
レキソタン錠・細粒 ブロマゼパム
エリスパン錠 フルジアゼパム
セレナール錠 オキサゾラム
セパゾン錠 クロキサゾラム
メイラックス錠 ロフラゼプ酸エチル
  (以下、睡眠薬)
マイスリー錠 ゾルピデム
ハルシオン錠 トリアゾラム
レンドルミンD錠 ブロチゾラム
ユーロジン錠 エスタゾラム
ロラメット錠 ロルメタゼパム
ドラール錠 クアゼパム
サイレース錠 フルニトラゼパム
ベゲタミンA錠 クロルプロマジン・プロメタジン配合剤
■ 90日分投与を限度とする麻薬
リボトリール錠・細粒 クロナゼパム
セルシン錠・散・シロップ ジアゼパム
マイスタン細粒 クロバザム
ネルボン錠・ベンザリン錠・細粒 ニトラゼパム
フェノバール散・エリキシル フェノバルビタール
ヒダントールD錠、F錠 フェニトイン・フェノバルビタ−ル配合剤

麻 薬

向精神薬

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