「器質性狭心症」≒「労作狭心症」 「冠攣縮性狭心症」≒「安静狭心症」 発作時心電図でSTが上昇するのが「異型狭心症」 |
□もう一つ、心筋梗塞に移行する危険性の有無で分類できます。心筋梗塞に移行する危険性の低いものを「安定狭心症」、危険性の高いものを「不安定狭心症」と呼びます。
□不安定狭心症と心筋梗塞の連続性を重視し、両者を合わせて「急性冠動脈症候群」と呼びます。
□狭心症の治療方法には大きく3つに分けれます。
薬物療法 |
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カテーテル治療 | 緊急で処置できる。 局麻(手足からカテーテルを入れる場合2,3cc、太ももから入れる場合10cc程度)でできる 風船で広げるだけでは再狭窄しやすいため、ステントを留置する(ステントを入れても2割前後の患者に再狭窄が起こってしまう) 内科で行う |
バイパス手術 | 全身麻酔が必要で、負担が大きい いくつもの病変がある場合、1回の手術ですべてが治療できる 高度な狭窄があるとき 手術が必要な他の病変があれば、同時に治療できる 外科で行う |
□POINT
狭心症の病態に応じた適切な薬剤を選択する
狭心症治療薬は、
冠動脈を拡張、攣縮を抑える薬:β遮断薬、Ca拮抗薬、硝酸薬
狭心症に対する抗血小板薬はアスピリンが基本、血栓形成のリスクに応じてプラビックスを合わせ2剤併用。なお、抗血小板薬の3剤以上の併用はエビデンスが確立されていない。
第一選択 | β遮断薬 | 抗血小板薬 | ISA(−) |
第二選択 | β遮断薬+ Ca拮抗薬あるいは硝酸薬 |
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第三選択 | β遮断薬 Ca拮抗薬 硝酸薬 |
□また基礎疾患に対する治療薬が加わる。
糖尿病
高脂質血症
高血圧
□生活習慣の改善も超大切。
喫煙
肥満
狭心症の痛みは、労作性狭心症では1〜2分から数分以内に消失するが、冠攣縮性狭心症の場合は、程度が強く持続時間も数分〜30分も続くことがある。冠攣縮性狭心症の発作は、安静時、特に夜間から早朝にかけて出現しやすく、昼間の労作によって出現することは少ない。
β遮断薬を投与すればα作用を相対的に強め血管収縮が起こることがありますので,一般的には攣縮性狭心症には効果がない,あるいは悪化させると言われています。ただ,攣縮性狭心症であっても、運動によって誘発されるタイプのものには奏効するようですので,病名だけではなく患者毎の病態に応じた服薬指導が必要です。
冠攣縮がなぜ起きるかという解明がされつつあるが、男女を問わず冠攣縮は喫煙者に圧倒的に高頻度にみられる。
point
患者の状態に応じた、β遮断薬を選択する。
糖尿病患者を合併した狭心症患者に対するβ遮断薬投与の是非
β遮断薬は糖代謝や脂質代謝に影響を及ぼす。
特に糖尿病患者においては血糖値の上昇や低血糖時の症状である頻脈、動悸、振戦等(β1作用)を抑制するため低血糖症状は自覚しにくく、さらに、グリコーゲン分解(β2作用)の抑制は低血糖からの回復を遅らせる可能性がある。
また、脂質代謝では総コレステロール、中性脂肪やHDLコレステロールに悪影響を及ぼすα作用やISAがあるβ遮断薬ではこの影響は少ないとされる。
ISAのないβ遮断薬の使用は、糖代謝や脂質代謝に対するこれらの不利益な作用を考慮しても、それを凌駕する有益な効果が期待できる!
point
硝酸薬の使い方を知る
point
狭心症に対する抗血小板薬の投与目的、薬剤選択を知る
実例処方12の解説